2025.06.27
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宅配ルール見直し「置き配」標準化検討 手渡しは有料化へ?

先日、「置き配」の標準化に関する報道がありました。
現場は「効率4割アップ」の一方で不安の声も…
いよいよ、配達の常識が大きく変わろうとしています。

【報道概要】再配達問題の深刻化と「置き配」標準化の動き

倉庫に積み上がる大量の荷物――それらは不在で持ち帰られた再配達待ちの荷物です。
今やこの「再配達業務」が、深刻な社会問題として注目されています。

国土交通省によると、ネット通販の普及とともに宅配便の取り扱い件数は年々増加。
しかし再配達によるドライバーの負担も増しており、政府は2024年3月までに再配達率を6%まで下げることを目指してきました。

ところが今年4月時点での再配達率は約8.4%。目標には届かず、さらなる対策が求められているのが現状です。

そこで浮上したのが、「置き配の標準化」。
これまで在宅時には対面で荷物を受け取るのが一般的でしたが、今後は不在・在宅にかかわらず玄関先などに置く方式を基本とし、対面手渡しは追加料金を求める制度の検討が進められています。

【配達の現場から】「効率は4割アップ」も、重い再配達は大きな負担

取材では、大型冷蔵庫の配達に訪れたものの不在で持ち帰らざるを得ない現場が紹介されました。
再配達には再び同じ荷物を積み下ろしし、運搬し直す労力が発生します。

配達会社の代表は、「置き配ができるだけで、業務効率は3〜4割アップする」とコメント。
1件あたりの作業時間が1〜2分短縮されるだけでも、全体に大きな効果があるといいます。

【専門家の見解】海外では標準、日本でも転換期へ

物流戦略の専門家・角井亮一氏によれば、アメリカなどでは「置き配」がすでにスタンダード。
対面受け取りは例外であり、追加料金がかかるのが一般的です。

一方、日本ではようやく「置き配」の利用経験者が72.4%に拡大し、2019年比で約2.7倍の普及を見せています。
とはいえ、まだ20%超の人が未体験であり、完全な定着にはもう一歩の段階です。

【不安の声も】トラブル事例と制度上の懸念

置き配には次のような懸念も寄せられています。

荷物で玄関が開かなくなる
盗難・水濡れ・破損・誤配のリスク
ラベルなどから個人情報が見られる不安
食品などの傷みや野生動物による被害

角井氏は「現状では置き配は自己責任に近い仕組み」とし、配送先が「置き配可」と了承することで成立していると説明します。

【視聴者の声】賛否の分かれる中で必要な環境整備

視聴者からは以下のような声が寄せられました。

「息子が盗難にあった。警察に届けたが出てこなかった」(40代)
「再配達が減れば宅配業者も助かる、大賛成」(60代)
「田舎では食品を外に置くのは動物被害が心配」(30代)
「誤配が多くてトラブルのもとに」(70代)

【まとめ】「置き配」時代に備え、安心な受け取り環境を整えよう

再配達の削減、業務効率の改善、社会全体の持続可能性を考えたとき、「置き配」は確かに有力な解決策です。
しかし、安全性やプライバシー、トラブル回避の観点から、ただ玄関に荷物を置くだけでは不安が残ります。

そこで注目したいのが「宅配ボックス」の設置です。

鍵付きで盗難・雨・誤配から荷物を守り、ドライバーもすぐに配達を完了できる。
配達する側・受け取る側双方にとって最適なソリューションです。

今後、手渡しが有料になる流れが進めば、「置き配」によるトラブルを防ぐためにも、宅配ボックスのニーズは一気に高まるでしょう。
今のうちに、安全・安心な受け取り環境を整えておくことが賢明な選択です。